新 刊 「爽美の季節」
哲学、文芸、音楽、絵画、映像、スポーツ、時事 2013~2014の総集篇 A5 150ページ
「爽美の季節」 目 次 
哲学 (1)梅原猛の「人類哲学」 ・・・・・・・・・・・ 4
(2)思想は進化しない――「哲学の三つの伝統」について
(3)西洋哲学と日本思想の対話
――テトラレンマとディレンマ
(4)ハンナ・アーレント――凡庸なる悪
(5) ポスト68年の思想と政治
(6)蔡國強×浅田彰――ヒロシマ黒い花火
(7)村上靖彦「摘便とお花見」――現象学的無意識
(8)九相図―不浄観
文芸 (1)無援の抒情 ・・・・・・・・・・・・・・ 44
(2)夢跡一紙 ――子故の闇に
(3)棺一基――大道寺将司
(4)二人静(ふたりしずか)
音楽
(1) NON C'É あなたはいない ラウラ・パウジーニ 64
(2) 家入レオ――太陽の女神、
あるいは家入一真――ひきこもり
(3) ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第5番」
絵画 (1)薄白色の余韻――小林且典 展覧会 ・・・・ 74
(2)雨宿り――続「京都日本画新展」に寄せて
(3)死の島-ラフマニノフ、そしてベックリーン
映像 (1)映画「ミュンヘン」MUNICH・・・・・ 82
(2)るろうに剣心
(3) ドラマ評<1>チームバチスタ「螺鈿迷宮」
-cureとcare
(4)ドラマ評<2>「Dr.DMAT―瓦礫の下の
ヒポクラテス」―命の優先順位
(5)ドラマ評<3>「明日、ママがいない」―絆(母と子)
(6)ドラマ評<4)「僕のいた時間」-ALS
スポーツ
(1)スポーツ観戦――ある日のフィギュアスケート 116
(2)アルガルベカップ2014
(3)Sochi五輪―金メダルの喧騒:パリの散歩道
(4) Sochi五輪余話―浅田真央、最後の舞
(5)遠 藤
時事 (1)希望のシンフォニー ・・・・・・・・・・ 134
―佐村河内守「交響曲HIROSHIMA」について
(2)希望のシンフォニーからアイロニーのシンフォニーへ
(3)おぼかたさん<1>
(4)おぼかたさん<2>
(5)おぼかたさん<3>
<後 記>
インターネットの「哲学への階段」ブログに、2013年から2014年にかけて掲載した文章を一冊にまとめた。
後半のドラマ評(1)~(4)は偶然か、医療問題にかかわるものが多く、また大騒動になったものに(3)の「明日、ママがいない」があって、いろいろと考えさせられることがあった。ドラマ評は以下の通り
(1)チーム・バチスタ「螺鈿迷宮」―cure とcare
(2)「Dr.DMAT―瓦礫の下のヒポクラテス」
―命の優先順位
(3)「明日、ママがいない」―絆(母と子)
(4)「僕のいた時間」―ALS
各々―以下のことがテーマだった。
「cure とcare」「命の優先順位」「絆(母と子)」「ALS」。
どれもテーマ的に難しいものだが、私たちが避けて通ることのできないものばかりである。
さらに佐村河内と小保方さんの件も大騒動となり、栄光からどん底へと反転し、現代を象徴する事件となった。当初の賞賛の辞とともにその後の顛末と私の考えを示した。
耳目をそばだたせる事件にはそれなりの時流の動きを感じさせられるが、それを面白がって批評しているばかりでは、自分の足元をすくわれかねない危うさがある。世間を騒がせた事件もやがて何だったのかと首を傾げざるを得ないほど簡単に忘れられていく。好奇心が作り出すものはあらぬ幻影だ。幻に引きずり回されないように、その正体と距離をとれる力を認識がもたらしてくれることを願うばかりだが・・
2014.5 .8 徳永省三